Sustainability サステナビリティ

SDGs

当社が取り組むSDGsアクション

当社では、「社会と業界の発展に貢献」を経営理念の一つに掲げ、天然資源の効率的な利用を実現する低燃費エンジンの開発、ゼロエミッションを目標とした先進的な燃料転換の研究、海をきれいにする活動などの取り組みを行っています。
これらの取り組みは、2015年に国連で採択された人類と地球の繁栄のための行動計画である2030年までに達成すべき17の目標 「SDGs(Sustainable Development Goals:持続可能な開発目標)」の達成に貢献できるものであり、当社は、持続可能な社会の実現をめざします。

ジャパンエンジンコーポレーションのSDGs達成について
当社の取組み、貢献するSDGsの目標、該当するESGの図

当社の取り組み事例

環境規制をクリアし、かつ、さらなる低燃費を追求したエンジンを開発・製造

当社が自主開発するUEエンジンは、競合他社を凌駕する低燃費を強みとしていますが、今後もその強みをさらに追求し、自然資源の効率的利用を実現することで、CO₂排出削減への貢献をめざしていきます。UEC42LSHは、当社のベストセラーエンジンであるUEC45LSEの後継エンジンとして更なる超低燃費化を図り、国内外造船所の建造するハンディーサイズバルクキャリアや小型ケミカル運搬船等に最適な出力レンジを設定しています。NOx(注1)、SOx(注2)などのIMO(国際海事機関、注3)の環境規制をクリアし、かつ超低燃費化によりEEDI(注4)クリアにも貢献できるこのエンジンは、2021年3月にUEC42LSH-Eco-D3初号機が完成しました。その後、UEC33LSHについても、初号機が2022年9月に完成いたしました。当社は今後も引き続き、新型エンジンの開発とラインナップの拡充を図り、自然資源の効率的利用に貢献して参ります。

製造工程における環境負荷低減

本社建屋2棟及び倉庫2棟の屋上に太陽光発電設備を導入、2023年1月31日より稼働を開始しています。本設備の年間発電量は589,020kWh、二酸化炭素(CO2)削減効果としては、 181トン/年の削減を見込んでいます。さらに、製造工場及び事務所、倉庫における天井照明をLED照明へ全換装を進めています。これらにより、環境負荷軽減と、照度最適化による作業環境向上を実現します。
当社では、低燃費を追求した新型エンジンや、アンモニア・水素燃料エンジン開発等、製品を通じての貢献に加え、製造工程を含めた事業活動の全領域における環境負荷の低減を図っています。

硫黄含有量の少ない高品質な燃料のみを使用する低燃費エンジンを開発・製造

IMO(国際海事機関、注3)が2020年から適用を開始した船舶からのSOx(注2)排出量規制グローバルキャップ(硫黄分0.5%以下)をクリアするため、当社は、2018年、硫黄含有量の少ないMGO(注5)のみを燃料とするエンジンLSJシリーズを開発しました。高品質の燃料を使用するためコスト高となる分を、低燃費、周辺装置の縮小・削減とメンテナンスコストの低減でライフサイクルコストをバランスさせ、環境への負荷も減らし、経済性も担保できるエンジンです。このエンジンをご活用いただくことで、環境への貢献を果たして参ります。
また、現在設計を完了しているシリンダー直径50cmのUEC50LSJエンジンに引き続き、シリンダー直径35cmのUEC35LSJを開発、初号機が2022年7月に完成しています。更にシリンダー直径42cmのUEC42LSJエンジンを開発中であり、バリエーションを充実させ、対応できる船種を増やすことで更なる環境への貢献を目指します。

脱炭素燃料(水素、アンモニアなど)の燃焼研究に投資を継続

地球温暖化を抑制するため、代替燃料活用の研究・実用化が急がれる中、当社は、脱炭素燃料であるアンモニア及び水素を使用するエンジンの開発に取り組んでいます。
また、脱炭素燃料については、GHG(注6)の排出量を削減、或いはゼロにできると期待されています。燃料転換の研究・実用化においては、多くの関係機関、団体、企業との協力が欠かせません。当社は、パートナーシップを持って、「脱炭素社会」の実現に向けて貢献して参ります。

CBM(Condition Based Maintenance:状態基準保全)(注7)の推進

 

ICTの進歩により船陸間での大容量データの通信が可能になったため、TBM(Time Based Maintenance:時間基準保全、注8)に代わるメンテナンス基準として、CBM(Condition Based Maintenance:状態基準保全)のニーズが高まっています。当社も2017年の夏から、他社と共同で、CBM(状態基準保全)を確立するための研究を行って参りました。この成果を踏まえ、2019年11月、船級協会らと共同研究契約を締結しました。CBMをベースとした新たな船級検査体系の構築を進め、技術革新の拡大を図って参ります。

産学官公連携による共創イノベーションへの継続的な取り組み

2018年に始動した「国際海運GHGゼロエミッションプロジェクト」は、産学官公の連携により、我が国におけるGHG削減に関する総合的な戦略の検討・調整を行う活動で、IMO(国際海事機関、注3)が掲げる「2030年までに効率を40%以上改善」、「2050年までにGHG(注5)総排出量を半減」、「今世紀中なるべく早期に排出ゼロ」の達成をめざすプロジェクトです。このプロジェクトに、当社も日本舶用工業会の一員として参画しています。当社は、産学官公一体となった地球温暖化防止への活動に対し、継続的に貢献して参ります。

海洋ごみ清掃活動の実施

海をフィールドとする製品を手掛ける当社にとって、ペットボトルやレジ袋などプラスチックごみを中心とする海洋ごみ問題は、見過ごすことのできない社会問題の一つです。当社は、日本財団と環境省の共同事業である「海ごみゼロウィーク」に賛同し、2019年より、当社近隣海岸での清掃活動を定期的に実施しています。
毎年、当社役員、社員が参加し、兵庫県明石市の西岡海浜公園(当社から徒歩20分ほどの海岸)にて2時間の清掃活動を行い、ペットボトル、弁当の容器などのごみを収集しています。今後も継続して、このような活動に取り組んで参ります。

働きやすく、人にやさしい職場環境づくりを整備

当社は、全ての社員が、やりがいを感じながら働き、仕事上の責任を果たしながら、家庭や地域社会の多様な活動に参加できる職場環境・雇用形態の実現を目指しています。有給休暇取得の推進及び、出産、子育て、介護など、社員それぞれの事情、ライフスタイルに合わせた働き方ができる制度を整えていく方針で、社員個人個人の自己実現を支援して参ります。
また、積極的な採用活動を継続し、地域社会の雇用機会の創出に努めるとともに、今後、少子化による人材確保難も想定し、外国人の採用を行うほか、高齢者の雇用延長を検討するなど、人財の確保と円滑な技能伝承を図って参ります。

ステークホルダーとともにSDGsに貢献

当社は、持続可能な成長実現のためには、投資家の皆様、サプライチェーンの皆様を始めとし、全てのステークホルダーの皆様とのマルチステークホルダー・パートナーシップが重要と考えています。
そのため、コンプライアンス遵守を徹底し、コーポレートガバナンスを強化しつつ、皆様への情報発信を重視して参ります。
また、サプライチェーンをより重視し、ビジネスパートナーの皆様との関わりを深め、新たなイノベーションを生み出し、当社の強みである環境対応技術を更に発展させることで、SDGs達成への貢献を具現化して参ります。

用語解説

(注1) NOx 窒素酸化物のこと。窒素と酸素の化合物の総称で、大気中の窒素酸化物の大部分は、一酸化窒素(NO)と二酸化窒素(NO₂)です。石油や石炭などの燃焼により発生する物質で、大気汚染や酸性雨などの原因とされています。
海運業界においては、船舶からの海洋汚染などを防止する国際条約である海洋汚染防止条約(MARPOL条約)附属書Ⅵ〔大気汚染防止〕によって、船舶から排出されるNOxの排出量を規制しています。

(注2) SOx 硫黄酸化物のこと。硫黄分を含む石油や石炭などの燃焼により発生する物質で、大気汚染や酸性雨などの原因とされています。SOxの排出量を削減するため、燃料に含まれる硫黄分の上限が段階的に引き下げられ、2020年1月には、規制海域を除く多くの海域で使用燃料中の硫黄分は0.5%に制限されます。

(注3) IMO (International Maritime Organization) 国際海事機関のこと。国際連合の専門機関の一つで、海上航行の安全性と海運技術の向上、海洋汚染の防止などに関する条約締結や基準の作成を担っています。

(注4) EEDI (Energy Efficiency Design Index)  1トンの貨物を1海里運ぶ際に排出されるCO₂の量を示す値のこと。地球温暖化対策として、2011 年7 月、IMO 第62 回海洋環境保護委員会で「エネルギー効率設計指標(EEDI)」の強制化が採択されました。

(注5) マリンガスオイルの略。MDO(Marine Diesel Oil : 船舶用ディーゼル油)、A重油とも呼ばれ、これまで船舶用ディーゼルエンジンで使用されてきたC重油に比べ、高品質で環境に優しい燃料です。詳しくは、product/lsj.htmlをご覧ください。

(注6) GHG (Greenhouse Gas) 温室効果ガス(対流圏オゾン、二酸化炭素、メタンなど)のこと。地球温暖化の主な原因とされています。 国際海運としてのGHGの削減戦略がIMO(国際海事協会)で採択され、「今世紀中のできる限り早い時期に国際海運からのGHG ゼロ排出を目指す」というビジョンのもと、 「2030年までに輸送効率を2008年比40%改善」、 「2050年までにGHG排出量を半減」などの目標が掲げられています。

(注7) CBM(Condition Based Maintenance:状態基準保全)
ICTを駆使して部品の状態を監視することで、メンテナンスが必要な部品のみを交換する効率的な運用を行うこと。状態に応じた最適なメンテンナンスが実現できるため、メンテナンスのコストや時間の削減が可能となるとともに、状態監視によって船舶の安全運航にも貢献します。

(注8) TBM(Time Based Maintenance:時間基準保全)
部品の状態などに関係なく一定の間隔で実施する従来のメンテナンス手法のこと。

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