MGO専焼・層状水噴射エンジン6UEC35LSJ型機関の初号機完成 バイオ燃料試験運転も実施
株式会社ジャパンエンジンコーポレーション(J-ENG)は、商船三井ドライバルク株式会社様/尾道造船株式会社様ご建造17,500dwt型近海船向け主機として、MGO(マリン・ガス・オイル)専焼・層状水噴射エンジン6UEC35LSJ型機関の初号機を完成しました。
本機関は、J-ENG独自の層状噴射システムの適用により、従来の同クラスエンジンに対し燃料消費率を約5%低減(当社比)した超低燃費機関であり、船舶エネルギー効率指標(EEDI)のフェーズ3をクリアするのに大きく貢献します。
更に、MGOを単一燃料として使用すると、重油では必要な加熱が不要で燃料系統がシンプルとなる上、入港時に必要となる重油からMGOへの燃料切り替え作業が不要となります。また、MGOは品質が安定していることから燃焼室部品のメンテナンス間隔の延長が可能となるなど、機関の信頼性向上や乗組員の負担軽減等に繋がる、多くのメリットを有しています。
層状噴射システムは、一つの燃料弁から2種類の異なる液体燃料などを層状に噴射出来る技術です。
本機関の場合は、MGOと水の組合せにより、燃費低減とNOx低減を同時に実現しています。
これに加え、工場試運転においては、商用実機として初めて100%バイオ燃料を使用して、層状水噴射との組合せによる試験運転を実施し、カーボンニュートラルを実証しました。
MGO専焼・層状水噴射エンジンは、特に中・小型船舶において、初期コストの大幅な増加や、燃料タンクの大型化などによる設置スペースの問題を回避しつつ、EEDI低減(GHG排出削減)やCSRに貢献する有効なソリューションとなることから、船主様や造船所様から高い評価を頂いており、既に受注済みの6UEC35LSJ型機関3台に加え、多くの有望商談を有しております。
更に層状噴射技術は、今回試験運転を実施したバイオ燃料の他、LPGやメタノールなど、多様な代替燃料への応用が可能で、現在J-ENGにてグリーンイノベーション基金助成事業として推進中のアンモニア燃料エンジン開発の中核技術にもなっており、将来的なGHGの大幅な排出削減に寄与する高いポテンシャルを有しています。
J-ENGは、2050年カーボンニュートラルに向けて、今後もお客様やマーケットのご期待に応えるべく、更なる技術開発を推進して参ります。
本件に関するお問合せ先
株式会社ジャパンエンジンコーポレーション
担当窓口:総務広報課