純国産大型低速2ストロークエンジンの商用機として初めて、次世代船舶向けゼロエミッション燃料である アンモニアの混焼運転を開始しました
株式会社ジャパンエンジンコーポレーション(J-ENG)は、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「グリーンイノベーション基金事業/次世代船舶の開発」プロジェクトにおいて、アンモニアを燃料とする大型低速2ストロークエンジン開発を実施しており、この度、フルスケールエンジン初号機(実際の船舶に搭載するエンジン、7UEC50LSJA-HPSCR)でのアンモニア燃料混焼運転を開始しました。
J-ENGは、2023年5月に、試験用エンジンで、大型低速2ストロークエンジンとして世界初となるアンモニア混焼運転を開始して以来、約1年半に亘る各種試験運転の中で、高いアンモニア混焼率での安定した運転や、アンモニアの安全な取り扱いなど、多くの成果・知見を得ており、フルスケールエンジンはこれらを全てフィードバックしたものとなります。J-ENGは、このフルスケールエンジンにおいて、今後、各種検証運転を実施し、本年10月に出荷予定です。その後、同エンジンはアンモニア燃料アンモニア輸送船(AFMGC;Ammonia-Fueled Medium Gas Carrier)に搭載され、実証運航を実施予定です。
またJ-ENGは、多種多様なアンモニア燃料船に対応するべく、上述の初号機(シリンダ直径50cm)に引き続き、シリンダ直径60cmのアンモニア燃料エンジンの開発も並行して進めており、複数の有望な後続プロジェクトにも対応しています。
更に、これら開発・社会実装を達成した後、(重油エンジンとのプロダクトミックスで、)アンモニア燃料エンジンの生産量を拡大し、ゼロエミッション船の普及・拡大を推し進めるため、GX経済移行債を活用した環境省・国土交通省連携の補助事業による支援を得て、新工場建設を決定、2028年度に完成の予定となっています。
J-ENGは、次世代燃料エンジンのファーストムーバーとして、その早期市場投入と普及を図ることで、日本の海運・造船業界の発展に寄与すると同時に、海運業界におけるGHG(温室効果ガス)削減と、2050年カーボンニュートラルの実現に貢献して参ります。
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アンモニア燃料エンジン7UEC50LSJA-HPSCR
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アンモニア燃料供給装置(貯槽)
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株式会社ジャパンエンジンコーポレーション
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