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技術部 設計課 性能チーム Y.Y

技術部 設計課 性能チーム
機械工学科 2014年卒
2014年4月入社

※所属部署は、取材当時の部署となります

わかるようになったら、俄然面白くなってきた。
やったらやった分、手ごたえを感じられる仕事です

どんな就職活動をしましたか?

自分の卒業校での進路はほぼ、船に乗るか、陸上で機械系の仕事に就くかのどちらかなのですが、3年生の時の乗船実習で、「自分は船乗りには向いていないな」と思いました。下関を出帆後、函館や新潟に寄港して1ヵ月で帰ってくるルートでしたが、この時、海象の影響で船がかなり揺れ、船酔いをして辛い思いをしたからです。
J-ENGは、大学の先輩が就職したという情報があり、先生から紹介されました。入社するまで在職されている先輩が誰かは知らなかったのですが、入社後に、多くの先輩が在職しており、私の教育係をしてくれた方も当時入社5年目の自分の卒業校の先輩でした。

技術部 設計課 性能チーム Y.Y
NOx鑑定は、性能チームにとって、山場の日です

入社後の仕事内容について教えてください。

1ヵ月の新入社員研修後、当時の技術課に配属されて以降、一貫してエンジンの性能に関する業務を担当しています。教育係の先輩が1年半前に別の課に異動するまで、その先輩と私で担当していた業務を、今、私と2019年度入社の後輩で担当しています。
船には、国際条約で定められたNOx、SOx排出量についての規制が海域ごとにあり、規制をクリアできていない船は、その海域を運航できません。性能チームの一番重要な仕事は、エンジンがその規制をクリアするよう工場でエンジンを試運転して、各部品を最適にチューニングし、電子制御機器のパラメータ調整を行うことです。陸上運転の最終日は、お客様立ち合いの下で性能データを確認していただく「公試運転」になりますので、エンジンによって差はありますが私たちはこの日から逆算して、数日にわたり試運転と予行運転を行います。それが完了すると、船級協会の立ち合いの下、NOxの排出量等を含む各性能データを確認していただくための「NOx鑑定」を受検します。船級協会からの承認は、当社が作成する「テクニカルファイル(いわゆる鑑定書)」に対して与えられ、承認を得た「テクニカルファイル」は運航する船が必ず積んでいなければならない書類になります。つまり、船級協会からの承認が取得出来ない=エンジンを出荷できない。ですから、性能チームにとっては、このNOx鑑定の日が最も緊張する「山場の日」と言えます。

エンジンの性能が自分の肩にかかっているなんて、責任重大ですね。

そうです。先程お話しした「テクニカルファイル」には、性能関係の担当者として、私のサインが入ります。サインするたび、「油断できない」と、気を引き締めています。
でも、やり遂げるしかありません。そのプレッシャーのおかげで成長できたとも思います。
エンジンのチューニングは、例えば燃料弁一つとっても噴口のサイズ、位置、向きにより性能が大きく変化します。
また、それぞれの数値には因果関係が有り、ある値が上昇すると別のある値は低下する。更にその変化により、また別の値も変化する。ですから、燃費やNOx、その他各種性能の一番いいバランスを見極めつつ、各部品や電子制御のパラメータを調整し、また運転して確認していくんです。
セオリーはあっても正解はないから、自分で考え、判断して、やってみて、結果を見て、確認し、また考えて…の繰り返しです。すでに製造したエンジンの資料を読み返したり、周りの人に意見をもらって、また考えます。おかげで、知識や経験も増え、力が付いてきました。自分に自信を持てるようになりましたし、自分の意見を周りの人たちにも受け入れてもらえるようになりました。

技術部 設計課 性能チーム Y.Y
左下手前が性能チームの2人。エンジンの大きさがわかっていただけると思います

今チームを組んでいる後輩が、初めての後輩ですか?

部の後輩は今までもいましたが、教育係を担当するのは初めてです。教えることはとても難しいと感じる毎日ですが、後輩に説明するために、基本的なことを再度調べたり、わかっていることも再度確認したりするので、自分にとっても勉強になっています。
私は5年で今のレベルの仕事ができるようになったわけですが、後輩には、3年くらいで今の私のレベルまで到達してもらい、次の2年でもっと上のレベルにスキルアップしてもらいたい。そう考えて、少し前から自分が2年目になって担当するようになったデータのまとめを、1年目の後輩に担当してもらっています。
また、つい先日は、公試運転後のミーティングでお客様への性能に関する報告も担当してもらいました。このミーティングには、お客様4名と、当社から組立、品証、営業、技術、設計の各担当者計11名が参加しました。その日の運転結果を報告し、お客様からの質問にお答えするのが趣旨なのですが、前日までの特訓が功を奏し、十分な声量で報告ができ、大好評でした。みんなから「Yさんより上手じゃない?」なんて言われて、「いや、ちょっ・ちょっと待ってください」(笑)。
私は4年目になるまで機会がなかったのですが、後輩は1年目で経験ができた。この調子でいけば、私の半分くらいの期間で色々なことをマスターしていけるのかなと思うと、とても楽しみです。

どんなタイプの人がこの仕事に向いていると思いますか?

最初はわからなくてもいつかはわかろうと追い続けられるような人、探究心のある人ですね。わからないことを調べてわかるようになるのは当たり前の話で、その先に進もうと思う人が向いていると思います。エンジンの世界は進化していくので、どんどん新しい機種・新しい技術が出てきます。それに付いていけないと、個人としても会社としても取り残されてしまいます。
エンジンがわからないときは、「何だ、それ?」と思っていましたが、わかるようになると、エンジンはとても面白いですよ。わかるようになりたくて努力をし、やっと最近わかるようになってきました。経験は、待っていてもそれなりに積めると思いますが、走って取りに行ば、もっと早く多くの事が吸収できる。だから、私は走って取りに行っています。

今の目標は何ですか?

2020年は、新しく開発された低圧EGRシステムを搭載したエンジンの組立が本格化します。低圧EGRシステムは、NOxの排出量を80%削減する規制、いわゆるTier Ⅲ適合エンジンの為のシステムです。今の目標は、そのEGRシステムを搭載したエンジンの特徴や性能について、マスターし改善を積み重ねていくことです。初めての製品なので、組み合わせは無限大にあります。その中から試行錯誤しながら、最適なマッチングを追求していきます。生みの苦しみは当然あると思いますし、覚悟もしていますが、画期的なエンジンを世に送り出せるのはワクワクしますし、その性能のマッチングができることを今、とても楽しみにしています。

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